オステオパシーの始まり
オステオパシーとは1874年にアメリカ人医師A.T.スティルにより発表された、医学体系のひとつです。
人間が本来備えている自然治癒力を発揮できる状態にすることで、身体を健康に導き、それを維持することを最大の目的としています。
創始者であるスティル医師は、自身の子供3人を次々と流行の髄膜炎で亡くしてしまったことや、当時の薬剤治療に疑問を持っていたことから、治療法の研究を重ね、どんな病気の患者にも必ず筋骨格系の異常があることに気づきました。そして、その筋骨格系の異常が血流、リンパ、神経伝達に影響を与えることで様々な症状を引き起こしているのではないかと考え、その解決方法として“手技を施す”という療法を発見し、「骨」を意味する「オステオ(osteo)」に、「病的状態,疾病」を意味する「パシー(pathy)」から、その療法にオステオパシーと名付けました。
当初オステオパシーの理論を認める人はほとんどいませんでしたが、スティル医師がオステオパシーのデモンストレーションをしてアメリカ全土をまわり高い治療効果を上げたことで、徐々に市民権を獲得し、ついにはオステオパシーの大学が設立されるまでになりました。
現在アメリカでは22校のオステオパシー大学があり、医師の国家資格として認められています。他にもイギリスやフランス、オーストラリアなど多くの国でオステオパス(オステオパシー施術者)という国家資格として認められています。
オステオパシーの特徴
オステオパシーの特徴は
“全身を見る”
“身体本来の力を活かす”
”哲学である”
こと!
“全身を見る”
オステオパシーでは、骨、靱帯、筋膜、筋肉、リンパ、血液、脳脊髄液・・身体を構成している全てのものを一つのシステムと捉えて考えるため、
症状の出ている部分だけでなく、頭から足先まで全身を見て不調の原因を考えていきます。
もっと言えば、オステオパシーには、身体だけでなく精神やその人の置かれている環境をも、人間の構成要素として捉えるという考えもあります。
“身体本来の力を活かす”
オステオパシーでは身体が本来持つ力である自然治癒力を活かすことで、不調の改善、健康の維持を目指します。手技を施す目的は自然治癒力を発揮できるように身体のバランスを整えることで、
最終的に不調の改善、健康状態の維持をするのは身体自身です。
このような考えのもとに施術をしているため、施術を受けて頂いた後もしばらくの間は身体の変化が続きます。
そのため、施術後の過ごし方や普段の姿勢や身体の使い方なども含めてお話をさせて頂いています。
“哲学である”
「身体は1つのユニットである」「身体は自然治癒力を持っている」「身体の機能と構造は関連している」という考えのもとに成り立っているものをオステオパシーと言います。つまりオステオパシーとは考え方なのです。
創始者であるA.T.スティル医師は施術テクニックは教えずにオステオパシー哲学を教え、解剖学などの医学的知識とその哲学から、施術方法を含め自ら考えるよう諭しました。
そのため、同じオステオパシーとは言っても施術テクニックは多岐に渡り、施術者によって施術方法も異なっています。
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